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2006年12月 7日 (木)

木を植えましょう②

正木さんは1945年生まれで、若い頃はインドを遍歴して哲学を学び、その後、アメリカの大学に招かれて、環境倫理学を講義してきました。そして、環境問題にしめる森の役割の大きさを知って、地球や自然を大切にしようとの思いから、自給自足の生活をはじめたのです。

しかし、そんな正木さんに青天の霹靂ともいうべき出来事が起こりました。農業をしながら、平和に暮らしていた正木さんの奥さん(チコさん)が「乳癌」と診断されたのです。癌の宣告を受けたとき、正木さんは死がそこまでせまってきていることを感じ、深い悲しみの中、病院近くの湖のほとりを一人歩いていた時に桜が語りかけてきた。

「私も病んでいる」と。

正木さんは、チコさんの病気と病んだ桜の老木とが、シンクロして感じられたのです。そこで、「森」に目を向けるようになり、これを「森へのめざめ」と表現されています。

その後、チコさんの手術は成功しました。そこで、チコさんが手術で苦しかった時、「あの桜の木も苦しかった」だろうと思い、「あの木のために何が出来るだろう?」 と考えた正木さんとチコさんは、木を植える事にしたのです。木を植えて、森を救いたいと。

しかし、実際に木を植えるにも何を植えていいのか全く分からず、何本かの果樹を植えただけで、計画はあえなく失敗。

丁度その頃、裏山でチェンソーの音が鳴り響き、驚いて家を飛び出すと、こんもりと茂っていたヒノキ山の木がどんどん切り倒されているのです。作業をしている村人に話を聞くと、山は国有林で、その年は2.5ヘクタールを伐採するとのこと。木を切られた丘は、毛を刈られたヒツジのように小さくなってしまいました。そこで、すぐに森林管理署へ行って、今度はスギやヒノキではなく、ナラやケヤキのような広葉樹を植えてほしいと頼みました。すると、担当者が好意的な返事をしてくれたので、良いことをしたような気分で家に帰ったのですが、なぜ自分でやらないのか? どうして人に頼むのか? との思いにかられたのです。

『病んだ自然と一緒に再生したいと願ったのはぼく自身ではないか。桜の木のために木を植えたいと願ったのはぼく自身ではなかったか。それなのにどうしてそれを国に恃むのか。どうして自分でやろうとしないのか?』

そこで、翌日もう一度森林管理署を訪れた正木さんたちは、前日の申し入れを撤回し、かわりに自分たちに木を植えさせてほしいとお願いしたのでした。こうして、木を植える活動が本格的に始まりました。

はじめは傷ついた桜の老木や自然への同情から思い立った「木を植える活動」。でも、環境哲学では分からなかった感情が芽生え始めたのです。それは木を植えることの「喜び」。自分が森を癒し、救うのではなく、森こそが人間を癒し、救ってくれる存在だったと気がついたのです。

(つづく) 

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コメント

れんげさん☆
私たちは森に生かされていたんですね~。なのに、森を壊してしまって・・・
私が空気を吸えるのも、水が飲めるのも、沢山の動物が生きられるのも、森のおかげ。
あ~(T▽T)ノ ありがたい!!
もっと、もっと感謝します♪

投稿: シータ | 2006年12月10日 (日) 21時57分

本当に木と、森と、いのちと向き合って、、、、感動です!
シータさんから聞いた、人口的な死んだ森ではなく、様々な生き物が棲む生きた森のお話、グッときました。
『自分が森を癒し、救うのではなく、森こそが人間を癒し、救ってくれる存在だったと気がついたのです。』---たくさんの人が気づくべきことなんですよね。

投稿: れんげ | 2006年12月10日 (日) 12時32分

たいやきさん☆
まさに「笑って行動!」ですね。(*^▽^*)
あなたの笑顔は誘引力があります♪
そして、何より行動力があるのがとっても素晴しいです。早速、編み物はじめて、どんどん進んでるしね。
いつも良い影響を与えてくれて本当にありがとう。
私も知って、信じたことは、どんどん行動に移していきたいと思います。(^_^)

投稿: シータ | 2006年12月 9日 (土) 00時17分

素晴らしいですね。
環境哲学では分からなかったことが行動を起こすことで分かってくるんですね。
悩んでても分からないですよね。笑って行動☆

投稿: たいやき | 2006年12月 8日 (金) 22時20分

tuiteruさん♪
ほんとだよね~。あたしも感動の嵐です(;_;)
でも、tuiteruさんが、そう思ってくれた事がさらに嬉しいです。一人の力は小さいけど、その小さなな力が集まれば、きっと大きな力になる。
この思いを胸に、出来る事からやっていこうね。
あなたのおかげで、私も一人じゃないって確信しました。\(*T▽T*)/ ありがと~♪

投稿: シータ | 2006年12月 8日 (金) 18時29分

うぅぅぅ~~~~(T_T)感動しました(;▽;)
=『病んだ自然と一緒に再生したいと願ったのはぼく自身ではないか。桜の木のために木を植えたいと願ったのはぼく自身ではなかったか。それなのにどうしてそれを国に恃むのか。どうして自分でやろうとしないのか?』=
どうして自分でやろうとしないのか・・・
一人一人が自然の為に何かしたいと思っているんだけど、なかなか自分一人では出来ない。でも正木さんという方は自分一人からやる、ということを教えてくれました。森こそが人間を癒し救ってくれる・・・☆

私も自然に優しく出来ること、したいです☆

投稿: tuiteru♪ | 2006年12月 8日 (金) 14時52分

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